ネック角矯正済みでプレイヤビリティー抜群!!稀少な12フレット・ジョイント、70年製D-18Sが入荷しました!!
ディットソン社からのリクエストに因り誕生したマーチン・ドレッドノート・スタイル。1931年から生産が開始されたD-18ですが、1934年から現在のお馴染みの14フレット・ジョイントになるまでは、スロッティッド・ヘッド&12フレット・ジョイントというクラシカルなスタイルでした。今回入荷のD-18Sは、そんなオリジナルD-18をモチーフに1967年から数本づつだけ生産されるようになったモデルです。フォーク全盛の60年代後半~70年代中盤に掛けては、そこそこの数が作られていましたが、それでも今回入荷の70年には14フレットのD-18が3037本作られたのに対し18Sは200本のみの生産ですから、現存する状態の良い個体はなかなかお目に掛かれない稀少な1本かと思います!
スプルースTOP、マホガニーSIDE&BACK、マホガニーNECK、ローズウッド指板&ブリッジ、実測47.2mmナット、25.4インチ・スケールのオリジナル・ドレッドノート・ボディー。このSボディーは、よく2フレット分ボディーが長いと思われがちですが、実はボディー自体の長さは殆んど変わりません。その分ネックがぐぐっとボディーの中に入ってますから、ブリッジが下に下がりますね。そして全長は実は12フレット・ジョイントの方が短いんです!ですから皆さん思ってるほど弾き辛いギターではありませんよ!しかしネック幅の問題はあるので、ワイド・ネックはダメという方には不向きですが、、、しかしワイド・ネックだからこその魅力あふれるサウンドであることも確かです。指板&ブリッジ材に関しては断言は出来ませんが、恐らくハカランダのような気がします。
そのサウンドはマーチンらしいしなやかで優しいサウンドに、12フレット・ジョイントならではの中低域の奥行き感、マホガニー・ボディー特有の素直に抜ける透明感バツグンの高音などが混然一体となり、爽やかで美しく、且つボリューム感もたっぷりなサウンドを響かせます!適度に乾いたボディーは、音の跳ね返しが良く音がすっきりと立ち上がります。バウンと弾むような低音に奥深くも粒立ちの良い中域、素直で美しい透明感を纏った高音のコンビネーションも絶妙で、14フレット・ジョイントではなかなか味わえない立体感のあるサウンドをご堪能頂けます。フラットピックでかき鳴らせば、ボリューム感もたっぷりな爽やかで抜けの良いストローク・サウンドを響かせますし、フィンガーで爪弾けば一音一音の粒立ちが良く艶やかなサスティーンを伴った美しい音色をご堪能頂けます。やはり12フレット・ジョイント・ボディーはこの5、6弦の腹にズーンと響くような深みと量感のある響きが堪りませんね!
楽器のコンディションは全体的に見ればキズの類も少なく、かなりの美品コンディションですが、いくつかのクラック・リペアーがあります。まずこの年代のマーチンでは避けて通る事の出来ないマーチン・クラックはPG外側のラインに沿って入っています。表面上は杢目に隠れてあまり目立ちませんが、PGを挟んで約17cmほどと、やや長めのクラック修理になっています。また、ボディー・バックのセンターから少し1弦寄りの箇所に、ボディー・エンドから13cmほどのクラックが入り接着修理されています。それぞれのクラックはしっかり接着され、裏からは補強のクリートも打たれていますので、強度的な心配はありません。それ以外は小キズがちょんちょんと散見出来る程度で、遠目にも派手に目立つようなキズも無く、トータルで判断すれば年式の割にはかなりの美品コンディションと言えるでしょう。エンドピンはエンドピン・ジャックになっていて、ボディー内でピン・ジャックが接続できるようになっています。しかしPU本体は付属していないため、このエンドピン・ジャックが生きているかどうかは不明です。
ネック・コンディションも良好で概ねストレート、現状での弦高は12フレット上で6弦側2.7mm、1弦側2.0mm程度と非常に弾き易いセッティングになっています。サドルにもまだ余裕がありますので、更なる弦高の微調整も可能です。フレットはリフレットされてからそんなに使われていないようで、まだ充分な高さが残っています。
探そうと思ってもなかなか見つからない12フレット・ジョイント・マーチン。ちょこっと修理歴有りとは言え、現在のマーチンの高騰ぶりを考えると格安の逸品かと思います!
ケースは貴重な60年代マーチン・スネイクヘッド・ケースが付属しています。4つのラッチの内、一番下のラッチが破損していますが、開け閉めや持ち運びには何ら影響はありません。
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