12フレット・ジョイント・ボディーの深く甘いサウンド!!ハカランダ指板&ブリッジの69年製D-18S!!
ディットソン社からのリクエストに因り誕生したマーチン・ドレッドノート・スタイル。1931年から生産が開始されたD-18ですが、1934年から現在のお馴染みの14フレット・ジョイントになるまでは、スロッティッド・ヘッド&12フレット・ジョイントというクラシカルなスタイルでした。今回入荷のD-18Sは、そんなオリジナルD-18をモチーフに1967年から数本づつだけ生産されるようになったモデルです。フォーク全盛の60年代後半~70年代中盤に掛けては、そこそこの数が作られていましたが、それでも今回入荷の69年には14フレットのD-18が2559本作られたのに対し18Sは225本のみの生産ですから、現存する状態の良い個体はなかなかお目に掛かれない稀少な1本かと思います!
スプルースTOP、マホガニーSIDE&BACK、マホガニーNECK、ハカランダ指板&ブリッジ、実測47.1mmナット、25.4インチ・スケールのオリジナル・ドレッドノート・ボディー。このSボディーは、よく2フレット分ボディーが長いと思われがちですが、実はボディー自体の長さは殆んど変わりません。その分ネックがぐぐっとボディーの中に入ってますから、ブリッジが下に下がりますね。そして全長は実は12フレット・ジョイントの方が短いんです!ですから皆さん思ってるほど弾き辛いギターではありませんよ!しかしネック幅の問題はあるので、ワイド・ネックはダメという方には不向きですが、、、が、しかしワイド・ネックだからこその魅力あふれるサウンドであることも確かです。
そのサウンドはマーチンらしいしなやかで優しいサウンドに、12フレット・ジョイントならではの中低域の奥行き感、マホガニー・ボディー特有の素直に抜ける透明感バツグンの高音などが混然一体となり、爽やかで美しく、且つボリューム感もたっぷりなサウンドを響かせます!適度に乾いたボディーは、音の跳ね返しが良く音がすっきりと立ち上がります。バウンと弾むような低音に奥深くも粒立ちの良い中域、素直で美しい透明感を纏った高音のコンビネーションも絶妙で、14フレット・ジョイントではなかなか味わえない立体感のあるサウンドをご堪能頂けます。フラットピックでかき鳴らせば、ボリューム感もたっぷりな爽やかで抜けの良いストローク・サウンドを響かせますし、フィンガーで爪弾けば一音一音の粒立ちが良く艶やかなサスティーンを伴った美しい音色をご堪能頂けます。やはり12フレット・ジョイント・ボディーはこの5、6弦の腹にズーンと響くような深みと量感のある響きが堪りませんね!
楽器のコンディションは小キズこそ散見出来るものの、年式から考えると滅多に無い極上コンディションを維持しています!ボディー・トップにはポツポツと小キズが散見出来ますが、遠目にも目立つ派手なキズは無く、非常に綺麗な顔付きです。PGは交換されていますが、この年代のマーチンに付きもののマーチン・クラックもありません。PGは上から塗装を吹いた物が貼られていますので、ぱっと見オリジナルのように見えますが、よくよく見るとPG上に吹かれた塗膜のムラか?白濁か?ちょっとモヤモヤした感じに見えます。が、かえってそこがオリジナルっぽいっつーか、、(笑)。また、ブリッジは一度貼り直しされています。6弦側のサイドを強打したのか?もしくは腕の湿気でこうなったのか?弾く時に丁度腕が乗る辺りの塗装が少し劣化していますが、木部の割れでは無く、表面上の劣化のようです。その他は取り立てて気になるようなキズも無く、トータルで判断すればこの年式としてはなかなかお目に掛かれない美品コンディションと言えるでしょう。
ネック・コンディションも良好で概ねストレート、現状での弦高は12フレット上で6弦側2.6mm、1弦側1.9mm程度と非常に弾き易いセッティングになっています。サドルにはもうほとんど余裕がありませんが、現状でも60年代マーチンとしてはかなり弦高も低く、プレイヤビリティーも抜群かと思います。フレットはリフレットされてからあまり弾かれていないようで、ほぼほぼ10割の高さが残っています。
探そうと思ってもなかなか見つからない12フレット・ジョイント・マーチン。しかも60年代物でこんな綺麗な個体はそうそう無いと思いますよ!
ケースも大変貴重なオリジナルのマーチン・スネークヘッド・ケースが付属しています。
SN:248224