ガリガリに弾き倒され、ビンテージならではの凄みを放つ65年製LG-0レギュラー・ネック!!
ギブソンの人気スモール・ボディー・シリーズのLGシリーズ。今回はそんなLGシリーズの中では一番安価だったモデルLG-0の65年製が入荷しました!LGシリーズは元々1942年からXブレーシング構造のLG-2、LG-3の生産が始まります。その翌年にはLG-2の廉価版としてLG-1の生産が開始されますが、そのブレーシング構造の違い故、LG-1と2ではサウンド・キャラクターが違い、それぞれに多くのファンを獲得し、長きに渡り生産が続けられる事となります。そのLG-1の更に廉価版として1958年に登場したのが今回入荷のLG-0になります。オール・マホガニー・ボディーのLG-0は、スプルースTOPのLG-1ともまた違うブルージーでいなたいサウンドが人気となり、多くのミュージシャンに愛される人気機種となりました!
マホガニーTOP、マホガニーSIDE&BACK、マホガニーNECK、ハカランダ指板、プラスティック・ブリッジ、ラダー・ブレーシング、実測42.5mmレギュラー・ネック、24.75インチ・スケールの14 1/8スモール・ボディー。ギブソンは65年の途中からナロー・ネックの細いネックに変わってしまいますが、65年前半まではいわゆるレギュラー・ネック。今まで数々のビンテージを見てきましたが、65年のレギュラー・ネックは64年までの43mmから僅かに細くなっている個体が多いように感じます。こちらの個体も実測で42.5mmと僅かに細くなっています。まぁ握った感じは0.5mmの差はほとんど分からず、普通にレギュラー・ネックを弾いている感触ですが、、(笑)。
そのサウンドはマホ・ボディー&ラダー・ブレーシングならではのブルージー且つ可愛らしくカラコロと鳴る軽快なサウンド!マホ特有の柔らかい音の立ち上がりに嫌みの無い素直なサスティーンで、何とも癒されるサウンドです。フラットピックで掻き鳴らせば、ギブソンらしい荒削りな一面も顔を覗かせますが、やはりフィンガーで爪弾いた時の癒し系ポロロン・サウンドが何といっても秀逸です!サスティーンはそんなに長くありませんが、この短いサスティーンを伴ったウクレレちっくなポロロン・サウンドこそがLG-0の持ち味でしょう!ブリッジはプラスティック・ブリッジなので、61年以前や67年頃以降のウッド・ブリッジのモノと比べると、ローの出方はより軽やかに鳴る印象です。プラ・ブリッジならではのちょっとおもちゃっぽい、しかし軽快に鳴ってくれるカラコロ・サウンドもこの年代のLGシリーズの魅力かと思います!
楽器のコンディションは見ての通り満身創痍な出で立ちです(笑)。一番目に付くのは指板脇の塗装剥がれかと思いますが、、こちらは長年のピッキングで塗装が削れた訳では無く、ネック・リセット時に剥がれてしまったようです。ネックを外す際に熱を入れ過ぎてしまったのか?トップの指板脇の広範囲とボディー・サイドのネック・ヒール横の部分の塗装が取れ、タッチアップされています。指板の13~16フレット辺りの焦げたように色が濃くなっています。また、ネック・リセット時に一緒に剥がしたのかどうかは不明ですが、PGは薄めのやや大ぶりなべっ甲柄のモノに交換されています。その他にも全身を覆いつくすウェザーチェックや、ヘッド角の欠けなど、いかにもビンテージ・ギターらしい凄みのあるルックスになっています。マホ・トップの宿命、トップの膨らみは若干感じられますが、平均的なLG-0に比べるとなかなか良い状態をキープしています。プラ・ブリッジは一度貼り直ししたようで、隙間にボンドを詰めているようですが、現状トップとの隙間は無く、アールもトップにぴったりと沿っています。ペグはクルーソン・タイプの3連ペグに交換されています。全体的にビンテージ・ギターらしい満身創痍なルックスになっていますが、ギターとしてのコンディションは上々です。
ネックはリセット済みでかなり深い角度でリセットされています。ネック自体は綺麗に真っ直ぐストレート、現状での弦高は12フレット上で6弦側2.5mm、1弦側2.0mm程度とベストなセッティングになっています。サドルにもまだ余裕がありますので、更なる弦高の微調整も可能です。フレットはローフレットを中心にそこそこ減りが見られますが、一番減っている箇所でもオリジナルの6割程度の高さが残っていますので、まだ当分はリフレットの心配も無いでしょう。
このルックスを「汚い」と感じるか「渋い!」と感じるかは人それぞれですが、長年使い込まれてきたビンテージにしか出せない「味」である事は間違いありませんね!
ケースは汎用のハード・ケースが付属します。
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