数本クラック・リペアーありますが、全体的にはかなり綺麗な58年製LG-1が入荷しました!!
ギブソン・スモール・ボディーを代表するLGシリーズ。元々は1942年にLG-2、LG-3がリリースされ、遅れること約半年、LG-2の廉価版として1943年から生産が開始されたのがLG-1になります。スチューデント・モデルという位置づけで、LG-2や3よりも作りを簡素化するためにラダー・ブレーシングが採用されたLG-1ですが、そのブレーシング構造の違いから、サウンド・キャラクターもLG-2や3とはまた違うサウンドが生まれ、LG-1ならではの個性的なサウンドは、今なお一部のファンからは絶大な支持を受けています!今回入荷は58年製の個体。レクタンギュラー・ブリッジで60年代のプラスティック・ブリッジ期のものとはまた違う、泥臭いブルージーさがたまらない1本です!
スプルースTOP、マホガニーSIDE&BACK、マホガニーNECK、ハカランダ指板&ブリッジ、実測42.8mmナット、24.75インチ・スケールの14 1/8スモール・ボディー。ネックも黄金期ネックと呼ばれる50年代後半ならではのしっくりと手に馴染むネック・グリップで、ブリッジは木製のレクタンギュラー・ブリッジ、PGはラージ・ガードという一番人気の高いスペックを持つ個体です!
そのサウンドは適度に乾いた抜けの良いビンテージ・サウンド!音の反応が良く、カラコロと心地よく鳴ってくれ、何ともブルージーなサウンドが堪りません!60年代のプラ・ブリッジ期のものに比べると、やはり音の密度が違い、安っぽい感じはまるで無くなります。まぁサウンドは人それぞれ好みがありますので、60年代のあのおもちゃっぽいカラコロ・サウンドがお好きな方も多いですが、50年代レクタンギュラー・ブリッジ期のサウンドは、やはり大いに納得させられる説得力のあるビンテージ・サウンドのように感じます。またJ-45やLG-2などは1955年を境にスキャロップ・ブレーシングからノン・スキャロップ・ブレーシングに変わるため、50年代前半と後半ではサウンド・キャラクターがだいぶ違ってきますが、、、LG-1の場合、前半でも後半でも同じ角材形状のブレーシングで変わりはありません。しかし、どういう訳か50年代前半のスモール・ガード期のものより後半のラージ・ガード期の物の方がよりタイトで直進性のあるサウンドになるから不思議です。フラットピックで掻き鳴らせば、音の塊感こそコンパクトですが、ギブソンらしい荒削りでラウドなサウンドが得らえますし、フィンガーで爪弾いても反応が良く、ストレスのないクリアーなサウンドをご堪能頂けます!
楽器のコンディションは、ボディー・トップに数本クラック・リペアーがありますが、それ以外はキズも少なめで、塗装の艶感なども美しく、トータルで見れば年式の割にはかなりの美品コンディションと言えるでしょう!クラック修理は薄ラージ・ガード期のギブソンに付きもののPGの内側のラインに沿ってサウンドホールの上下共にありますが、丁寧に修理されていて、全体的なビンテージの雰囲気とも相まってほとんど目立ちません。PGの外側のラインに沿っても6cmほどのクラック・リペアーがあり、こちらは磨き粉が入って白くやや目立ちます。また、ブリッジ下のセンター・シーム部がエンド部まで一度口を開いたようで接着修理されていますが、こちらも全体的な雰囲気と相まってあまり気にならないかと思います。それぞれのクラック・リペアーはがっちりと接着され、裏からは補強のクリートも打たれていますので、今後お使い頂くのに不安はありません。その他は小キズや上品なウェザーチェック、バックの一部に塗膜の荒れなども確認出来ますが、年式から考えるとかなり綺麗な方でしょう。ネック裏からヘッドに掛けては気になるようなキズも無く、非常に綺麗な状態を維持しています。
ネック・コンディションも良好で綺麗にストレート、現状での弦高は12フレット上で6弦側2.5mm、1弦側2.1mm程度とベストなセッティングになっています。サドルは6弦側はもうほとんど余裕はありませんが、1弦側はブリッジから2mmほどサドルが出ていますので、更なる弦高の微調整も可能です。
数本クラック修理跡有りですが、顔付きは非常に綺麗でギブソンの渋いオーラぷんぷんの1本です!
ケースは汎用のハード・ケースが付属します。
SN:T6130-6