これぞリアル・エイジド!!既にビンテージの風格すら漂う塩崎雅亮氏の初期作品、SD-60が入荷しました!!
国内屈指のベテラン・ギター・ビルダーであり、シーガル・ギターを主宰する塩崎雅亮氏。国内のギター・ビルダーとしてはダントツの知名度を誇る塩崎氏ですが、ビンテージ・マーチン研究家の第一人者としても有名です。彼ほどビンテージ・マーチンに精通し、語り、そしてそれを再現できるルシアーは、世界広しと言えども右に出る者はいないとまで言われる日本が誇るマーチン・ギター研究家であり、ギター・ビルダーです。今回入荷はシリアルから考えて83年かもしくは84年前半頃に作られたであろう1本。82年から工房を構えた塩崎氏の比較的初期の力強い逸品です!
ソリッド・シトカ・スプルースTOP、ソリッド・インディアン・ローズウッドSIDE&BACK、マホガニーNECK、エボニー指板&ブリッジ、ノン・スキャロップ・ブレーシング、ローズウッド・ブリッジ・プレート、実測43.5mmナット、645mmスケールのドレッドノート・ボディー。現在塩崎氏が監修を務めるSD-60とは違い、塩崎氏のオール・ハンド・メイドによる、ノン・スキャ期のいわゆる70年代D-28レプリカです!
そのサウンドはノン・スキャロップ・ブレーシングならではの芯の太い力強いサウンド!現行モデルのようなスキャロップ・ブレーシングの華やかなサウンドとは一線を画する実直で密度の濃いサンドこそが初期シーガルの真骨頂かと思います!腹に響くローにバウンドするような芯の太いミドル、艶やかでエッジ感がきつめのハイなどが混然一体となり、ノン・スキャらしい密度の高いパワフルなサウンドを響かせます。70年代マーチンに比べると、音の硬さは否めませんが、その分基音のしっかりとした野太さを感じます。フラットピックで掻き鳴らせば、ややエッジ感のきついパワフルで直進性に富んだラウドなサウンドをご堪能頂けますし、フィンガーで爪弾いても基音のしっかりとした、それでいて瑞々しいリバーブ感に包まれたサウンドが得られますので、あらゆるジャンルやプレイ・スタイルでオーソドックス且つハイ・クオリティーなサウンドをお楽しみ頂ける事と思います!
楽器のコンディションは既にビンテージ・ギターとしての貫禄も漂い始めた圧巻のルックス!現行モデルのSD-60はソフト・エイジド~ハード・エイジドまでエイジド処理の加減が選べたりしますが、こちらは正真正銘長い年月を掛けて育まれたリアル・ビンテージ仕様です(笑)。全体的にびっしりと細かいウェザーチェックが入り、ピッキングに因るスレや塗装剥がれなどもエイジド処理なんかでは到底敵わない自然且つド迫力のルックスになっています。PG上の塗装にもウェザーチェックが入っている辺り、ビンテージのルックスが好きな方には堪らない魅力ですね。弾く為の楽器としてはばっちり調整が行き届いていますが、いくらかの修理改造歴があります。まず修理箇所としては、1弦側のボディー・サイドのウエスト部分に10cm弱のヘアライン・クラックを接着修理された箇所があります。ボディー内部からは補強のクリートが打たれしっかり修理されていますので、強度的な心配はありません。外観もぴったりと木が閉じ、周りのウェザーチェックに隠れてほとんど何処だか分からないかと思います。サウンドホールからボディー内部を覗くと補強のクリートが見えるので修理箇所と分かる程度ですね。改造歴としては、ペグがグローバーに交換されています。オリジナルは恐らくゴトーのクルーソン・タイプだったと思われますが、余ったネジ穴はそのままになっています。もうちょっと後の年式になってくると最初からグローバーが使われていたように思いますので、途中でそちらの仕様に替えたんでしょうね。また、ネック・ヒール部にストラップピンを付けていた跡があります。現在ストピンは外されていますが、ネジ穴はこちらもそのまま放置になっています。その他にはネック裏にカポのネジを締め付けたようなゴリゴリとしたキズがありますので、ネック裏のキズはNGという方には不向きですが、演奏上は何ら気にならないかと思います。
ネック・コンディションも良好で概ねストレート、現状での弦高は12フレット上で6弦側2.7mm、1弦側2.0mm程度とベストなセッティングになっています。サドルにもまだ充分な余裕がありますので、更なる弦高の微調整も可能です。フレットは1、2フレットを中心にいくらか減りが見られますが、一番減っている箇所でもオリジナルの6~7割程度の高さが残っています。
現在の塩崎氏本人によるM.Siozakiはかなりお高くなってきてしまいましたので、この頃のシーガルは断然お買い得かと思います!
ケースは汎用のライト・ケースが付属します。
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